[心霊写真集]
«少女の幽霊»
此の場所は、深夜ともなると薄暗い街灯が一本立っているだけで周囲は真っ暗闇だ。写真(3)の立札は周辺の簡単な地図で、その前で少女は、今は無き実家の場所を確認していた様子だった。
立て看板を正面にして深夜、峠を上がってきた私の車のライトに照らされた少女は、一瞬目を逸らし辺りを見回して立ち止まり、こちらを振り返るしぐさはしたものの、そのまま写真(1)(2)の暗闇の方向に歩いて行った。
車を停めて少女に声をかけようと峠に向かったが、写真(5)の峠の分かれ道のどちらかの暗闇に消えた。車に戻り直に後を追ったが何処にも少女の姿は無かった。
此の少女は、右片方は短パン(ショートパンツ)でスラっとした足が見えていたが、左片方は長めのスカートと言う変わった出で立ちだった。
彼女は幽霊と言っても成仏していて、尊霊から許可を得て人間界の実家に帰ってきた。だが、実家が見当たらず周囲をうろついていたところを、近くの尊霊が迎えに来たと同時くらいに、私たちと鉢合わせしたようだ。直に尊霊が彼女を連れて現在の実家のある場所に連れて行った。
心霊写真として成立していないので、掲載するのはどうかとも思ったが、尊霊に言って現場に彼女を呼んで貰い、誰にでも見える訳では無いが写真に写ってもらっている。写真(1)(2)のガードレールが切れている辺りに少女は立っている。
陰陽師・神政館 館長:山下款二